2009年09月23日

知的生活の方法

知的生活の方法 (講談社現代新書 436) 渡部 昇一

新書: 214ページ
出版社: 講談社 (1976/01)
ISBN-10: 4061158368
ISBN-13: 978-4061158368
発売日: 1976/01




著者紹介
1930年、山形県鶴岡市に生まれる。1955年、上智大学修士課程修了。英語学専攻。ドイツ、イギリスに留学。現在、上智大学教授。Dr.Phil.著書は、『英語学史』――大修館、『日本語のこころ』『英語の語源』『発想法』――講談社現代新書――など多数。


商品の説明
出版社/著者からの内容紹介
 知的生活とは、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活である。日常生活のさわがしさのなかで、自分の時間をつくり、データを整理し、それをオリジナルな発想に結びつけてゆくには、どんな方法が可能か?読書の技術、カードの使い方、書斎の整え方、散歩の効用、通勤時間の利用法、ワインの飲み方、そして結婚生活……。本書には、平均的日本人に実現可能な、さまざまなヒントとアイデアが、著書自身の体験を通して、ふんだんに示されている。知的生活とは、なによりも内面の充実を求める生活なのである。

 知的正直――英語には、「知的正直(インテレクチュアル・オネスティ)」という言葉がある。知的正直というのは簡単に言えば、わからないのにわかったふりをしない、ということにつきるのである。ほんとうにわかったつもりでいたのに、それがまちがいだった、ということはある。それはあてずっぽうのまちがいとは違うから、そういうまちがいなら、まちがうたびに確実に進歩する。しかし傍から見ていたのでは、あてずっぽうでまちがえたのか、ほんとうにそうだと確信しながらまちがったのか、その辺の区別はつかないのである。その区別がつくのは、自分だけということになる。そこで「己れに対して忠実なれ」という、シェイクスピアの忠告が生きてくるのである。――本書より



感想

 1976年創刊の本です。当時、高校1年生だった私は、偶然にも初版本を本屋で買って読みました。その結果、読むごとに感動のあまり、震えが止まらなくなった覚えがあります。あれから30年以上がたちましたが、何度も読み返しています。おそらく30回は読んでいるでしょう。そして、この本との出会いが、その後の自分の読書を変えたと言っても言いすぎではありません。

 特に「知的正直」について、目から鱗が落ちました。「わかったふりをしない」というのは私の人生に知的生活を送るうえで大きく影響を与えています。それに「名作をあまりに若いときに読むのは危険」という見解には、大いに頷かされました。夏目漱石を、心の底からわかったと言えるには、それなりの人生経験が必要でしょうが、大抵の人は、中学や高校の国語の授業で読まされて、何となくわかった気になっており、大人になってから再びそれらを手に取ろうとはしません。そして、こうした状態こそが、知的発展の阻害をもたらしているのであるという考えは、傾聴に値するでしょう。

 あと著者の恩師はよく、どんな有名な学者の意見でも「あれは何をいっているかわからぬ」と述べたといいます。これは、なかなかできないことです。「わからなければ、わからぬ」この恩師の信念には、著者同様、大いに感心しました。

 また、2章の繰り返し読むことで読書の質が高まることの重要性には、心底考えさせられました。乱読では、身につかない何かに築かされました。あと、3章の「身銭を切る」をその後は実践し、読書量が大幅にアップしました。おかげで、今や書斎2室に1万冊の蔵書を持っています。

 この本には、若年期より知的生活を追及してきた筆者の体験談や、カントやゲーテなどといった知的に偉大な人物のの生活習慣などが書かれてあります。とても参考になります。また、「朝型人間に転換すべき」などの根拠のうすい主張をしばし耳にしますが、これに対し著者は、朝型が良いかどうかは、血圧型(高血圧か低血圧か)に依存する問題であり、一概には言えないと言ってます。

 パソコンが普及する以前に書かれたものであり、知的活動におけるパソコンの活用方について触れられていないのが残念ですが、当時はパソコンの無い時代だったので仕方ないですね


posted by ss at 13:48| 知的生活の方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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